過払い金請求しても戻ってこないケースと過払い金を取り戻す方法

借金をした経験があれば、お金が戻ってくると聞いて、過払い金請求をしようかと考える人は多くいらっしゃいます。
貸金業者に払いすぎた利息(過払い金)があれば、過払い金請求でお金を取り戻せますが、状況によっては過払い金が発生していたけどお金が戻ってこないケースと、そもそも過払い金がなかったためにお金が戻ってこないケースがあります。
自分の借金から過払い金が戻ってくるかどうかを知るためにも、まずは過払い金請求してもお金が戻ってこないケースと、過払い金を取り戻す方法を確認するべきです。
過払い金請求をしても戻ってこないケース
過払い金請求をしても戻ってこないケースは、過払い金が発生していたけどお金が戻ってこないケースとそもそも過払い金がなかったためにお金が戻ってこないケースの2種類あります。
過払い金請求の時効が成立
過払い金請求には請求期間が決められていて、借金を完済してから10年を過ぎると、過払い金請求の時効が成立して、過払い金請求ができなくなります。
2023年現在の10年前にあたる2013年より前に借金を完済している人のほとんどは、過払い金請求の時効が成立している可能性が高く、たとえ過払い金が発生していたとしても時効が成立していると1円たりとも過払い金が戻ってきません。
完済している借金がある人は、過払い金が発生している可能性が高いので、今すぐに過払い金請求に強い弁護士・司法書士に相談をするべきです。
貸金業者が倒産
過払い金が戻ってくるかどうかは貸金業者の経営状況に左右されることがあります。特に、倒産した貸金業者に過払い金請求をしても、請求先がないためお金を取り戻せない可能性が非常に高いです。
たとえば、かつて大手消費者金融であった武富士は、2010年9月28日に会社更生手続をおこなって倒産をしたので、過払い金請求をしてもお金は戻ってきません。
- 武富士:2010年9月28日 会社更生手続
- クラヴィス:2012年7月5日 破産手続開始決定
- クロスシード:2013年12月26日 破産手続開始決定
また、現在も経営している貸金業者であっても、経営状況が不安定で倒産する可能性があります。
武富士と同様に貸金業者が倒産をすると過払い金請求をしても過払い金が戻ってこない可能性が高いので、1日でも早く弁護士・司法書士に過払い金請求を依頼するべきです。
闇金からの借り入れ
闇金は、利息制限法や出資法で定められている上限金利を超える金利でお金を貸している違法な貸金業者で、中には貸金業の登録がされていない闇金があります。
多額の借金を抱えていて、一般的な消費者金融から借り入れできない人や、自己破産をした人などをターゲットに、他の貸金業者で借り入れできなくても借りれるとうたって、違法な金利で貸し付けます。
闇金からの借り入れは違法であるため、請求された利息はもちろん、借金の返済をする必要は一切ありません。
闇金から借り入れた人は闇金の対応にくわしい弁護士に相談して借金問題を解決するべきです。
返済中の借金に発生していた過払い金
返済中の借金に発生した過払い金は過払い金請求をすることができますが、貸金業者から取り戻せた過払い金が自分の手元に戻ってくるとは限りません。
たとえば、返済残高が50万円の借金から40万円の過払い金を取り戻した場合、すべての過払い金が借金の返済にあてられるため、自分の手元にお金が戻ってくることはありません。
また、クレジットカードのショッピング利用をしている場合は、クレジットカード会社から取り戻した過払い金がショッピング利用枠の残高にあてられます。
クレジットカード会社から取り戻せた過払い金がショッピング利用枠の残高を上回らなければ、自分の手元に戻りません。
自分で過払い金請求する
過払い金請求は弁護士や司法書士に依頼せずに、自分で貸金業者と交渉することができます。
しかし、過払い金請求するためには、払いすぎた利息がいくらあるのかを正確に計算しなければいけません。
利息の計算を間違えてしまい、本来発生している過払い金の額よりも金額が多い場合は、貸金業者に過払い金請求を断られて過払い金が戻ってこない可能性が高いです。
過払い金請求に強い弁護士・司法書士に依頼すれば、発生している過払い金を正確に計算してくれるので、計算結果を間違えて過払い金請求を断られるリスクを避けることができます。
金利が利息制限法の範囲内
過払い金は利息制限法で定められている上限金利を超えた分の利息をさしますが、利息制限法の範囲内で金利が設定されている借金については過払い金はないので、お金が手元に戻ることはありません。
利息制限法では、借り入れた金額によって設定されている利率がちがいます。
借り入れ金額 | 上限金利 |
10万円未満 | 20% |
10万円以上、100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
表にある上限金利を超えなければ、過払い金は発生しないので、過払い金請求をしてもお金が手元に戻ることはありません。
銀行カードローンや住宅ローンなどの借金は金額が大きいから、まとまった金額が戻ってくるかもしれないと期待されがちですが、次のような借金は利息制限法の範囲内の金利が設定されているため、過払い金請求をしてもお金は戻ってきません。
- 銀行からの借り入れ(金利:5%~18%)
- 銀行カードローン(金利:14%前後)
- 信用金庫からの借り入れ(金利:1%~14%)
- 労働金庫からの借り入れ(金利:5%前後)
- 住宅ローン(金利:1%前後)
- 自動車ローン(金利:4%前後)
2010年以降の借り入れ
過払い金が発生している可能性がある借金は、2010年より前の借り入れに限ります。
2010年6月18日に貸金業法と出資法が法改正されたことで、利息制限法の上限金利である20%を守らなければならなくなり、法改正より前の借金については、払いすぎた利息(過払い金)として取り戻せると決められました。
2010年6月18日に法改正されてからは、利息制限法の上限金利を超える貸し付けは行政処分の対象となったので、すでに借金を完済していても、いまも返済中であっても過払い金は発生しません。
クレジットカードのショッピング利用
商品を買うときに使われるクレジットカードのショッピング利用は過払い金が発生しないため、過払い金請求をしてもお金は戻ってきません。
ショッピング利用は借金ではなく、クレジットカード会社が利用者に代わって支払いを立て替えることになります。
商品やサービスをショッピング利用で分割払いまたはリボ払いにした場合、購入代金とは別でクレジットカード会社に手数料を支払うことになりますが、この手数料は割賦販売法をもとに設定されている費用です。
借り入れしたときに発生する金利のような利息制限法に当てはまらない費用なので、ショッピング利用から過払い金が発生することはありません。
過払い金を取り戻すためにやるべきこと
過払い金が発生していることを確認
過払い金が発生していなければ過払い金請求をしてもお金は1円も戻ってきません。まずは自分の借金に過払い金が発生しているかを確認するべきです。
正確な結果を知るためには弁護士・司法書士に相談しなければいけませんが、下記のカンタン診断を利用することで、過払い金があるかを大まかに確認することができます。
過払い金があるかわかるカンタン診断
Q1.現在31歳以上である
Q2.2010年より前にお金を借りている
Q3.相続の中に借金が含まれている
過払い金がある可能性が高い
- 現在31歳以上で2010年より前にお金を借りた人
- 親の借金を相続した人
現在31歳以上で2010年6月より前にお金を借りている人は、過払い金が発生している可能性が大きいです。
満18歳以上でないと借り入れできないので、2010年より前に満18歳以上で貸金業者からお金を借りていた人は、過払い金が発生している可能性があります。
相続した財産に借金が含まれている場合にも、亡くなった人が2010年より前に貸金業者からお金を借りているならば過払い金が発生している可能性があります。
過払い金請求には期限(時効)があるので、弁護士や司法書士といった専門家に相談して早めに過払い金を取り戻すべきです。
過払い金がない可能性が高い
過払い金は2010年以降にお金を借りている人は発生していない可能性が大きいです。お金が借りられるのは満18歳以上なので、2010年はまだお金が借りられなかった現在31歳以下の人は過払い金の対象になりません。
しかし、相続した財産に借金が含まれている場合は過払い金が発生している可能性があります。相続財産がない現在20代以下で借金に悩んでいる人は、債務整理が借金の解決方法になります。弁護士や司法書士といった専門家に相談するべきです。
時効が成立する前に過払い金請求
過払い金が発生していたとしても、完済してから10年が過ぎていると時効が成立するため、過払い金請求をしても1円も取り戻すことができません。
2010年に利息制限法が改正されてから10年以上たっているため、多額の過払い金が発生していたのに時効が成立していることで過払い金請求できない人が増えています。
過払い金請求は法律で定められた金利以上に支払った利息を取り戻す手続きであり、払う必要のない利息を取り戻すことはいたって真っ当な権利であるため、遠慮する必要は一切ありません。
もっと早く過払い金請求をすればよかったと後悔する前に、いち早く過払い金請求できるかを弁護士や司法書士に相談するべきです。
過払い金請求に強い弁護士・司法書士に依頼
過払い金請求では、払いすぎた利息がいくらあるのかを計算したり、貸金業者と交渉する必要のある手続きのため、自分で手続きをすると時間や労力がかかってしまい、過払い金が発生しているのに取り戻せない可能性があります。
取り戻せる過払い金を確実に取り戻すためには、過払い金請求に強い弁護士・司法書士に依頼をするべきです。
過払い金請求の実績が豊富な事務所であれば、過払い金があるかどうかを的確に調べることができて、貸金業者との交渉においても1円でも多く、1日でも早く過払い金を取り戻すことができます。
過払い金請求に強い事務所では、無料相談や無料調査を実施していて、もし過払い金が発生していなかったら調査費用がかからない事務所もあります。
過払い金が戻ってくるかどうかを確認するために、まずは費用をかけずに過払い金の有無を確認できる杉山事務所に相談をするべきです。
過払い金が戻ってこないについてよくある質問
- 過払い金請求をしても戻ってこないケースは?
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過払い金が発生しても取り戻せないケースは次のとおりです。
- 過払い金請求の時効が成立
- 貸金業者が倒産
- 闇金からの借り入れ
- 返済中の借金に発生していた過払い金
- 自分で過払い金請求する
くわしくは「過払い金請求をしても戻ってこないケース」をご確認ください。
- 2010年以降の過払い金は?
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過払い金は2010年以降にお金を借りている人は発生していない可能性が大きいです。お金が借りられるのは満18歳以上なので、2010年はまだお金が借りられなかった現在31歳以下の人は過払い金の対象になりません。「過払い金があるかわかるカンタン診断」で過払い金があるかを確認すべきです。